蒸発と決める前に、台と配管を確認する
水位が下がった理由を、季節だけで蒸発と決めないことが大切です。水槽台や床、外部フィルターの接続部、ホースの通り道がぬれていないかを確認します。結露や作業でこぼした水と、継続して漏れている水は分けて考えます。
電源周辺がぬれている場合は、水槽より先に人の安全を確保します。ぬれた手でプラグやタップを触らず、安全に操作できる遮断方法を使い、必要なら専門家へ相談してください。毎日同じ場所に水が戻る、配管の周囲が繰り返しぬれる、といった場合は単なる蒸発として補水を続けません。
漏れの兆候がない場合は、通常水位へ印を付け、同じ時間に見るようにします。フタの有無、室温、暖房、エアレーションや水面の動きも一緒に記録すると、いつから減り方が変わったかを説明できます。全ての水槽へ共通の「一日何L」という数字は当てはまりません。

足し水だけを続けても、汚れは外へ出ない
蒸発で水が減っても、水に溶けていた全ての物質が同じ割合で一緒に消えるわけではありません。足し水は水量を戻す作業です。一方、換水では飼育水を外へ出すため、蓄積した物質を減らす役割があります。「毎週足しているから水換えは不要」とは考えません。
淡水水槽で何を足すかは、普段使っている水と管理方法に合わせます。水道水を使う場合は塩素処理を行い、新しい水の温度も確認します。海水水槽では蒸発と塩分濃度の管理が関わるため、この淡水向けの説明だけで補水方法を決めないでください。
定期換水と足し水を別々に記録しておくと、管理が曖昧になりません。たとえば「火曜に2L補水、土曜に15L換水」と分けます。水が透明でも、水質検査と給餌量から換水の必要性を判断してください。
フタはサイズだけでなく、支えと機器の隙間を見る
蒸発を抑えたいなら、まず使用水槽に適合するフタの有無を確認します。幅が同じでもガラス厚、縁の形、受け具、照明や配管との干渉は異なります。割れやすい素材を不安定に載せるのではなく、水槽メーカーの対応品から調べるのが基本です。
フタを付ければ水面を密閉してよい、という意味ではありません。給餌、配管、機器の放熱や指定された通気を妨げないようにします。断熱材やタオルで照明、電源タップ、フィルター本体まで包むのは避けてください。水槽の保温と、電気機器を覆うことは分けます。
フタの汚れや水滴で光の入り方も変わります。外して洗える動線を残し、清掃時は安全に置ける場所を用意します。水位の減り方がどれだけ変わったかは、取り付け前後を同じ条件で記録して確認します。

水位低下で先に困るのは、ヒーターと吸水口
見た目には数cmの変化でも、ヒーターやフィルターにとっては運転条件を外れる場合があります。最低水位の表示と設置方向を確認し、どこまで下がる前に補水すべきかを決めます。水面付近へ無理に機器を押し込んだ配置は、留守中の蒸発も考慮して見直してください。
露出していたヒーターへ、通電したまま急に水をかけたり手で触ったりしません。安全に電源を切り、冷却と再使用可否を説明書で確認します。安全装置が作動すると再使用できない機種もあるため、「水を戻せば直る」と決めないでください。

補水は、量を決めて温度と塩素処理を確認する

必要量が少ないと手順を省きたくなりますが、補水でも飼育専用の容器を使います。温度を測り、使用製品どおりに塩素処理をした水を、底床や魚へ勢いよく当てずに入れます。わずかな水位低下を毎回大量の換水で直す必要はありませんが、補水を理由に定期換水を先延ばしにもしません。
常設用は小型の吸盤式、磁石固定式、数字で読む水中センサー式から選べます。補水容器でも測るなら、センサーだけを入れられるWD-1などが候補。ただし表示本体は濡らさず、センサーを固定して値が落ち着くまで待ちます。水槽外へ貼る方式を水中へ流用してはいけません。小さな容器へ水槽用ヒーターを入れる使い方は、機器が認めていない限り行いません。
留守にするなら、一日分の減り方を先に知る

外出当日に水を多めに入れて解決しようとすると、今度は指定上限やフタ、フィルターに干渉することがあります。通常の安全な水位を守り、出発前から減り方を記録してください。不在期間中に最低水位へ近づくなら、見回りを頼むなどの対策が必要です。
自動給水装置を使う場合も、出発直前の設置は避けます。故障や設置ミスで過剰給水になるリスクもあるため、動作と停止条件を確認し、十分に試運転します。まずは水位の記録とフタの確認だけで解決できるかを見て、必要な機器だけを足しましょう。