まず人の安全、その次に魚の呼吸と水温を見る
停電に水漏れや地震が重なっている場合、ぬれた電源タップや割れたガラスへ近づいて作業しないでください。まず人の安全を確保し、安全に確認できる範囲で水槽を見ます。電源を復旧すればよいと焦って、濡れたプラグを差し直すことは避けます。
安全を確認できたら、魚が水面付近へ集まっていないか、呼吸が普段より速くないか、水温が何℃かを記録します。影響が出るまでの時間は、水量、飼育密度、魚種、水温、停止時間で変わります。何時間なら必ず大丈夫という一律の目安で待ち続けないでください。
照明、フィルター、エアーポンプ、ヒーターのうち何が止まったかを分けます。電池式ポンプを一つ持っていても、暖房やろ過まで復旧したわけではありません。対策ごとの役割を混同しないことが重要です。

乾電池式ポンプは、電源がなくても空気を送るために

GEXアトム5は単3電池2本で動くポンプです。メーカーは停電などで一時的に酸素供給が失われる場面への使用を案内しています。普段使っているACポンプに加えて、電源方式の違う予備を持つ意味があります。
アルカリ電池使用時の吐出量は800cc/分、持続時間は約8時間が目安です。電池の状態や使用条件で変わるため、8時間の安全を保証するものではありません。チューブやストーン、必要な逆流対策を含め、購入後に説明書どおりの配置で試します。
本体を水没させず、転落や逆流の危険を避ける位置へ置きます。停電したら自動で起動する製品ではないため、外出時の無人対応とは別に考えます。予備電池の使用期限も点検し、箱に入れたまま未確認で保管しないようにしましょう。
温度を急に戻そうとせず、冷え方を記録する

ヒーターが止まっても、水温は室温や水量に応じて変化します。水温計で実際の変化を追い、飼育魚の適温と状態から対応を考えます。手で触った冷たさだけでは、水温も変化の速さも分かりません。
保温する場合は、水槽に適合するフタなどを活用し、機器の通気や点検を妨げないことが前提です。電源タップ、照明、動いている機器をタオルで覆わないでください。カイロを直接水中へ入れたり、熱湯を注いで急に戻したりする方法は使いません。
長引く見込みなら、自宅だけで維持できると決めず、専門店などへ飼育条件と現在の水温を伝えて相談します。移動も温度差や輸送の負担を伴うため、容器と移動先の準備なしに魚を取り出さないでください。
予備電源は「何Wまで」と「何時間」を別に計算する
蓄電池などの電源を見るときは、機器を動かせる出力Wと、蓄えた容量Whを分けて読みます。たとえば500Whを150Wだけで使う単純計算は約3.3時間。実際には変換損失や他の機器、ヒーターの通電状況が関わるため、そのまま稼働時間の保証にはできません。
大きな数字の電源を一つ買えば冬の停電を全て解決できる、とは限りません。対応する出力、機器の起動、濡れない設置場所、充電状態、運用時間を確認します。この記事では実機での組み合わせ検証をしていないため、特定の電源を動作保証付きとして勧めません。
ろ過が止まっている間は、いつもどおりに餌を足さない

停電中は水流とろ過の働きが普段と同じではありません。ADAの停電対応資料でも、フィルター停止前後の給餌を控え、再始動後もしばらく回してから控えめに与える考え方が示されています。お腹が空いているはずだからと、通常量をそのまま足すことは避けます。
長い停止の後は、水の見た目だけで判断せず、魚の状態と水質を確認します。亜硝酸を測る試薬は状態確認の一つですが、アンモニアなど全項目を測るわけではありません。どの検査をするかは、停止時間や飼育状態と合わせて判断します。
復電したら、コンセントではなく排水口を見る
電気が戻っても、全てのフィルターが自動的に正常運転へ戻るとは限りません。排水口から水が出ているか、空回りや異音はないか、ホース周辺に漏れがないかを確認します。再始動手順は機種の説明書に従い、流れないまま放置しません。
ヒーターは指定水位とセンサー位置を確認し、その後の水温変化を見ます。魚が普段の状態へ戻るまで観察を続け、必要に応じて水質検査や換水を行います。停電開始と復旧時刻、最低水温、使った電池を記録しておくと、次に必要な備えを具体的に見直せます。
